長井市指定文化財。市民の文化・芸術活動の場として利用されています。
旧西置賜郡役所は、1878年11月に初代山形県令三島通庸の命により建てられました。現存する郡役所としては山形県で1番、全国で2番目に古いもので、1996年3月に長井市指定有形文化財の指定されました。
2004年5月には小桜館としてリニューアルオープンし、地域住民の文化活動の場として利用されています。
明治~大正にかけ、県と町村の間に位置する地方自治体としての「郡」という単位があり、山形県は11郡に分けられていました。ここ現在の長井市は、西置賜地方をまとめる西置賜郡に属しており、当郡役所は国・県の出先機関として町村の指導監督などを行う役割を果たしました。
明治政府の欧化政策の方針によって、明治前期に建てられた郡役所の多くは西洋建築の様式を取り入れた建築になっています。西置賜郡役所(小桜館)のように伝統的な「和風」の木造建築の技術によって作られた「洋風」の建物は、擬洋風建築と呼ばれるものです。
明治11年(1878年)に建てられた西置賜郡役所の建築費用は4,518円、およそ3ヶ月で完成しました。下記左の写真は、明治13年頃の郡役所を写したもの。西置賜郡役所は大正14年まで、郡役所として使用され、郡制廃止後は戦後まで地方事務所として使用されました。
平成4年に市の指定文化財になり、平成15年より翌年にかけて改修工事を実施しました。その際、正面広場の土壌から、当時(明治11年頃)施工されたと思われる石畳(上記、中の写真)が発見されました。その後、石畳は地下に埋め戻しましたが、 「下見板張」や「ディンティル」などの建築技巧や2階バルコニーのファンライトの色ガラスなどには、当時の面影をそのままに残しています。